夕方から夜にかけての東海~関東南岸の雨について
日中は九州~四国,近畿地方,夕方から夜にかけて東海~関東の,とくに南岸で降水量が多くなりそうです.
T=12で九州の西海上にある低気圧は,500hPaの5700m付近の強風軸に対応しています.850hPaの9℃~12℃付近線の近傍に前線が描けそうで,これが上空の流れに従って本州上を東進していく予想ですが,上空の流れは今夜にかけてはトラフが深まるわけでもなく,低気圧は特に発達せず,次第に南岸に低気圧が解析されるようになってくるようです.ただ,850hPaの風や700hPa鉛直流を見ると,暖域から低気圧の前面にかけて40ノット以上の南西~西南西風で暖気が入り,そこで上昇流の極値も予想されています.実際はもっと発達するかも知れませんね.ちなみに,強風軸はもう一本5580m付近にもあって,T=12では低気圧はありませんが九州の西海上の低気圧よりも北側に,別の前線帯があるようです(T=12,橙色の楕円で囲んだあたり).夜には能登半島沖に低気圧が予想されていますが,これも今夜までのところで特に発達する感じはありません.
特に南岸に解析されるようになる低気圧について見てみると,日中は九州~四国,近畿地方,夕方から夜にかけて東海~関東の,特に南岸で降水量が多くなりそうです.↓(左:今日15時までの12時間積算降水量予想,右:20日3時までの12時間積算降水量予想※どちらもMSM)
今夜の関東付近を拡大して,925hPa相当温位・風,地上風の予想を見てみます
地上気圧・風・降水量予想図(左上:19日21時 右上:20日0時)
925hPa相当温位・風・降水量予想図(左下:19日21時 右下:20日0時)
降水量が多くなっている静岡から三浦半島南端,房総半島南端あたりは特に,321K以上の暖湿気が60ノット以上の強風で流れ込む予想です.321Kは相当温位の集中帯の南縁で,この付近では強い雨に注意,その北側の例えば関東南部はしっかりとした雨が降りそうですね.