引き続き、九州北部の大雨警戒です。
<12時地上天気図、16時赤外画像、17時レーダーエコー図を重ねています>
前線に沿って、東西に長くのびる雲域、九州地方には前線の南側に発達したエコーが見られるという状況です。前線は15時の時点で、これより少し北上しています。
発達したエコーは主に、熊本県と佐賀県に見られます。昨日と同じような所です。昨日からの雨量も加味すると、土砂災害は最大限の警戒が必要な事態。よく前線の南側に暖かく湿った空気が入り、前線の活動が活発化する…という話を聞くと思いますが、それを具体的に天気図で見てみると。
暖湿気の流入を見る時ポピュラーなのは、850hPaの相当温位です。「湿舌」っていう言葉を聞いたことがあるかと思いますが、大雨の目安にしちゃいますよね。上の図は、850hPaの345K以上のエリアを着色したものです。大雨降らしているエリアに対応しているように見えますが、これが大雨の直接の原因ということではありません。
左から850hPa、925hPa、950hPaの相当温位・風の解析図です。相当温位354K以上のエリアを緑色の太実線で表し色を塗りました。つまり、「湿っているのは下層なんです!」(ナウシカ風)。700hPa~850hPaで見る「湿舌」は、それよりも下層のより湿った空気が、前線の活動によって上昇させられて上空に現れた結果です。大雨のそもそもの原因は、下層の約500m以下にあるのです。
例えば、実技試験なんかであてはまる問題を見つけたら、紹介しますね。
2012年7月13日
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