今朝の関東南部の大雨

まずは,昨日のラジオっぽいTV!を見ていただけますか?今朝の関東南部の雨や風についての予想を話しているのですが…

<てんコロ.のラジオっぽいTV!1485(明日朝の関東南部の雨や風を考える)>

という感じで,MSMで予想されていた収束線を南のほうに修正して東京湾周辺の予報を考えたのですが,結果どうなったか?

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ラジオっぽいTV!で予想降水量が多くなりそうな時間帯として5時頃を取り上げたので,同じように5時以降の収束線をアメダス風の流線をもとに描いてみました.赤線で描いたのですが見えますか?結果,予想した収束線の位置よりもさらに南側,房総半島にかかるぐらいの所にできてしまいました.

最も強いエコーは,6時までは収束線の北側に出てきていますが,7時~8時にかけては収束線近傍から南側に位置するようになっています.例えば上空850hPa付近のウィンドプロファイラ観測なんぞを見ると分かるのですが,朝6時頃までは南風が卓越し暖湿気が流入しているのですが,以降は次第に西の成分が多くなってきて,風が揃ってきているせいみたいです.

まあ,いずれにしても収束線ができた所が考えた所よりも少し南にずれたせいで,地点毎にみると大いに予報が外れたわけです.

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そもそもMSMの予想よりも少し南に考えたのは,まあよくあることだからっていうのもそうですが,↑昨日の朝9時イニシャルの12時間後(左・27日21時)から24時間後(右・28日朝9時)にかけて,トラフは深まってくるけど,トラフの前面でそんなに南の成分が大きくもなってないし,低気圧自体も大して発達するわけではないし,そんなに内陸までぐいぐい南寄りの風は入らないのではないか?そう思って,収束線を少し南に考えたのですが,それでも全然足りなかったってことです.

 

関東南部でこういうこと(大雨,強風)が起こるっていうのは,完全に予測できていたことです.しかし,関東南部でも一地点のお客さんから見たらどうでしょうか?例えば,東京湾の湾奥あたりのとあるお客さんには,今日の午前中の予報を低気圧の通過に伴って「南寄りのやや強い風(未明まで)から,一旦北寄りの風が入り(明け方頃),その後南西風が強く吹く(朝から昼前).明け方から朝は強い雨」っていう予報を出しましたが,特に風については予想と実況が正反対です.南寄りの風が一切入らない,なんだったら真逆の北寄りの風が続いています.これは,お客さんからしたら「はぁ?全然ちがうじゃんっ(怒)」となりますよね.

このように,「関東南部」ぐらいの大きな目で見れば予報が当たってるようでも,一地点で見たら大ハズレになってる所があるのです.今朝に関して言えば,端から東京湾全体が収束線の北側に位置しちゃっているわけですから,全部ハズレです.まあこれだって,日本域の天気図で見れば虫眼鏡で見てやっと分かるぐらいの差なんですけどねー.

こういう所が予測のコワイ所であり醍醐味でもあるんですがー.予報もらってるほうは,困りますよね.こうしてまた一つ,反省事項が増えるわけです.お客さんに直に怒られて,反省を積み重ねて,予報は続いていくんですねー(・∀・;)

2017年9月28日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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