台風第9号を振り返ってみるとこんな感じでしたか
赤外画像と可視画像が混ざっていますが…21日1時から南海上をずんずん北上してくる台風第9号の様子です.
ちょっと小さくて分かりずらいかも知れませんが…特に可視画像で確認できるのは,南海上にいる間のほうがキレイに渦が見えるけど,雲域がカスカスです.だからスパイラル状の渦も分かりやすいのかな.それで,いよいよ関東南岸の上陸直前になると真っ白で濃密な雲域になっています.
上陸前は台風の低気圧性の循環の北側に強いエコーが分布していました.上陸直前で北側の強いエコーが関東南部にかかり始めると,少し西側に偏るような分布になっていて,地形の効果もあるのかも知れません.ちなみに,右の図(22日10時)に表示させた矢羽はウィンドプロファイラの900mの高度の観測値です.それにしてもキレイな渦ですね.
上の左図は,台風第9号の通ってきた道のり(紫の太線)と,それまでの予想進路履歴です.大きく見ればほとんどブレが無くて,スゴイな~と思いました.ただ,関東地方に上陸するよ!となると,その中心がどこに到達するのか?という細かい問題は結構大きな違いになります.当初は…というか結構な直前まで東京や横浜よりも西側に上陸すると思っていましたが,結局は房総に上陸しました.そのため,予想のうちは東京や横浜で南東風がMAXだと思ってたのですが,結局は直前まで北東風が強く吹いてました.
22日の東京と横浜の観測です.こうして見ると…やはり中心が近かったせいか,分かりやすく風向・風速の変化や気圧変化が表れていますね.
最後に,雲画像で見ていただいたように,台風第9号は上陸が近くなってきてから,グイッともう一段発達しました.気圧変化としては5hPaですけど.それが黒潮のせいじゃないかと言ってる人が居たようです.なるほど!ということで,ワタクシの友人が台風の経路図と黒潮を重ねてみたのです.
数字が見にくいかも知れませんので,デカクして見て下さい.すると,オモシロイことに黒潮を渡るタイミングで本当に5hPa下がってます!おおう!と,その効果が黒潮のものなのか本当の所は分かりませんが,こうして振り返ってみると色々と興味深いことが分かりますね!