南岸低気圧がきますが,その後は冬に戻りそうですね
東シナ海から九州南部を目指している前線を伴う低気圧があります.これが10日にかけて,南岸を東北東進していく低気圧です.一方,シベリアのほうに目を向けると,中心気圧1056hPaという高気圧となっていて,どんだけ冷気溜めこんでるんだろうかと,思わず引いてしまいます.
左:9日9時 右:9日21時 500hPa高度・渦度予想図(GSM)
地上の低気圧の位置は星印で示しました.低気圧に対応するトラフは5700m付近にあるようですが,見ての通りあまりヤル気はなく,あまり深まりません.ただ,下層のほうはまあまあ気合いが入っていて…
左:9日9時 右:9日21時 850hPa相当温位・風予想図(GSM)
低気圧循環は明瞭だから分かると思いますが,その南側の暖湿気,320K以上の相当温位の空気が20m/s以上の強風(茶色の矢印)で低気圧の前面に吹き込む予想で,前線付近のシアは寒冷前線も温暖前線も明瞭です.
左:9日9時 右:9日21時 地上気圧・風・降水量予想図(GSM)
上空の流れで見てきたように,形としてはこの低気圧の移動も,南から吹き込む暖湿気の方向も,北上する傾向は強くないので,本州付近で雨が多くなる所は無さそうです.やはり低気圧や前線の近傍にあたる九州南部や四国,さらに東進して伊豆諸島では強い雨や風,波に注意しないとです.問題はこの先なんですけど,先ほど地上天気図で見ていただいた,シベリアに溜めこんでるクサイ寒気…
左:10日9時 右:10日21時 850hPa気温・風予想図(GSM)
低気圧が東海上に抜けたあと,10日の夜には850hPaの温度場は関東でも0℃以下になってきます.この後の図は省略しますが,11日,12日とダラダラ寒気が流れ込んできます.まあ,上空の話ですのでこれがそのまま地上気温に反映されるわけではありません.10日は,昨日の予想よりも低気圧が早めに東海上に抜けて,晴れ間も多少ありそうですから,日中は平年並ぐらいまでは上がりそうです.
ただ,11日には↑このように,高気圧の張り出しが北に偏り,関東から東海の南岸は気圧の谷となって,天気がよくなさそうです.こうなると日射しの恩恵はほとんど受けられない中で,北東~東の風により気温は上がりにくく,関東南部の最高気温は一ケタ!真冬の寒さになりそうです.温度の上がり下がりが激しい,3月ってのはこういうもんだ!ということで,暖かくなったからって気を抜かずに,ビシッと体調管理していきましょう!(と,自分に言い聞かせています)
2016年3月9日
カテゴリー:天気の話題