天気図を立体的に見るあそび!
11月8日(土)から,防災気象プロ&てんコロ.共同開催の気象予報士実技スクールが始まりました.受講生の皆さんは,もちろんそれぞれ勉強の進み具合が異なります.しかし,うちの講座はあくまでも,実技の勉強に初めて着手する!という方に向けて,基本的な所から始めています.
<天気図を立体的に見る>
うちの実技講座には,名物コーナー(?)があります.それは,授業の間の休憩時間に語られるパンダ先生(の中身)によるお天気小噺です.毎回,受講生の方々には好評のコーナーで,お茶を飲みながら楽しんでいただいております.そこで,今季の実技スクール第1回目のこのコーナーでは,何をやったのか?ちょっと紹介したいと思います.それは,下の地上天気図を地図だと思って,自分が全財産を払って,30年ローンで家を建てるなら,どこに家を建てるか??というものです.
地上天気図に書かれている等圧線を等高線に見立てて,天気図を立体的に見られるようにするあそびです.そもそも大気は,立体的なものですから,平面に書かれた天気図も立体的に捉えなければなりません.それは,他の等圧面天気図でも同じことで,最終的には複数枚の天気図を重ねて大気の立体構造を頭に描くことが,天気図の解析です.これは,そのちょっとした訓練ですね.
皆さんならどこに家を建てますか?高気圧は周りよりちょっと高い,小高い丘でしょうか.等圧線が何本か引かれている所は傾斜のある所で,線が多ければ急傾斜地となります.低気圧は周りより所で,高気圧の丘から見下ろせば,広い湖です.湖に注ぐ川が,谷筋を通る前線ということです.東海上の高気圧の縁(東経165度,北緯30度あたり)に家を建てれば,リバーサイドタウンのまさにてんコロ.オフィスみたいな所です.九州地方に家を建てるなら,少し傾斜はありますが,東向きの窓から朝日がのぼるのを見られる景色の良さそうな所です.目の前には,台風の地獄池がありますが,中心からちょっと離れると傾斜が緩くなってることが分かります.その一方で,北の前線を伴う低気圧周辺は,低気圧の中心から離れた所まで広範囲に渡って急傾斜地が広がっていますが,中心付近は傾斜が緩くなっています.受講生の方は,この傾斜地に家を建てていましがが,どうやらリンゴ農園をやりたいとのことでした.そういうことなら,この広い急傾斜地はいい場所かも知れません!ただし北向きですが….
などなど,そう考えると,普段何気なく見ていたただの地上天気図も,まじまじと見るようになるのではないでしょうか?ぜひ,今日の天気図からこのあそびをやってみて下さい!