梅雨もいよいよ終盤でしょうか。。。
今朝9時の地上天気図を見ると、前線が朝鮮半島南部~北陸地方にのびています。梅雨末期にはよく見られる形です。
850hPaの気温、風(GSM予想図)の状況を表した図の上で前線を引いてみると、青い点線の位置あたりでしょうか。
東海上の高気圧がほとんど停滞してふんばっている中で、西から低気圧が押してくる状態となり、日本付近の等圧線は
ぎゅうぎゅうです。太平洋高気圧の張り出しの端っこで、日本の南海上の高気圧循環も明瞭。縁辺流で、湿った空気を下層に
溜めこんでそうです。レーダーエコーを見てみると、
北陸~東北地方にかかる雨雲は、前線の北側に広く分布しています。一方、山陰地方にかかる雨雲は、
東北地方のエコーよりも強度が強く、前線の南側に帯状に沿う形です。925hPa相当温位、風の様子を見てみると(MSM)
高相当温位の空気が、南海上の高気圧循環からの南西風と大陸を回って入ってきた西風とが収束して、入っていた
かも知れません。このあたりの雨雲を、もう少し詳しく見るために、ウィンドプロファイラ―を見てみました。すると、
(左:ウィンドプロファイラ浜田) (右:ウィンドプロファイラ鳥取)
浜田は、強い雨の領域ど真ん中の地点ですが、よく見ると12時前の時間帯に、南西風から西風への急変が見られます。
まるで寒冷前線の通過のようなかっこうです。天気図には無いですが、これも前線のような位相が通過したものと考えられます。
梅雨前線は、天気図に一本ビシッと引かれていますが、「梅雨前線帯」として細かく見れば、何本も前線のような境目がある
ということが分かります。一方、そのとなりの鳥取のウィンドプロファイラは、同じ時間を切り取ったとは思えないほど状況が
異なります。上空は乾燥しているのか、観測が少ないですね。
このように、同じ梅雨前線帯の中にあっても、このような大きな違いがあります。梅雨前線に対して、ほぼ同じところに位置している
からといって、みんな同じ現象が起こるわけではありません。天気図以外にも、いろいろな資料を見ることが大事だということを
改めて感じました。
ちなみに、この降水域は次第に走向が南西~北東にのびて南東進しています。500hPaの渦に対応しているように見えます。
(500hPa高度・渦度 MSM)
下層の暖湿気流入の方向も考えると、この後、四国南部や紀伊半島など夜遅くにかけて、落雷、突風、短時間強雨に注意
しないといけないですね。
2013年7月3日
カテゴリー:天気の話題