「安定・不安定」ちょこっと…てんコロ.アドバイス更新しました。
ちょこっと…てんコロ.アドバイス18 学科・実技:状態曲線で安定・不安定を見る
実技の勉強をやっていると、一般分野の基本をついつい忘れてしまいがちです。実技試験では、ふいに学科一般で
勉強した基本が問われることがあります。もう合格してるから…と言わず、たまに振り返って復習してみることが、
実技の理解を早めるためにも重要です。今日は、そんな中の一つ状態曲線で見る「安定」「不安定」です。
<そもそも、安定・不安定>
正しくは、大気の鉛直安定度と言いました。ある空気塊が、何らかのキッカケで上昇し始めたとき、その空気塊の
温度減率と、空気塊の周りの大気の気温減率とを比較して、空気塊が昇りやすい大気(不安定)なのか、空気塊が
昇りにくい大気(安定)なのかを指す、ものさしです。
例えば…
・周りの気温減率が上の図の緑のエリアだった場合(つまり気温減率が乾燥断熱減率よりも大きい)
→この場合、空気塊は乾燥していようが飽和していようが、上昇した瞬間に周りの気温より高くなってしまうため、
空気塊は絶対に上昇しちゃう、つまり「絶対不安定」という状態です。
・周りの気温減率が上の図のピンクのエリアだった場合(つまり気温減率が湿潤断熱減率よりも小さい)
→この場合、空気塊は乾燥していようが飽和していようが、上昇しても周りの気温よりも高くなることはないため、
空気塊は上昇できない、つまり「絶対安定」という状態です。
・周りの気温減率が上の図の黄色のエリアだった場合(つまり気温減率が乾燥断熱減率より小さく、湿潤断熱減率
より大きい)
→この場合、乾燥している(未飽和)空気塊に対しては、周りの気温よりも空気塊の温度の方が低く、昇りにくい大気
ということになります。飽和している空気塊に対しては、周りの気温よりも空気塊の温度の方が高く、昇りやすい大気
ということになります。これが「条件付不安定」です。
これを、実際の状態曲線で見られる(判断できる)ようにならないといけません。
<状態曲線を見てみよう>
2月13日9時(左:地上天気図 右:状態曲線)
右の天気図の時、赤丸で印をつけた「秋田」の状態曲線です。地上から、ほぼ750hPaまでの下層は、気温(赤線)と
露点温度(茶色線)が大きく開いている、つまり湿数が大きく乾燥した層となっています。その上はほぼ飽和して湿潤と
なっているけど、気温の状態曲線はほぼ鉛直に立ち、湿潤断熱線よりも温度減率が小さい「安定層」となっていること
が分かります。秋田はこの時、温暖前線の北側に位置しており、前線面より上空には暖湿気が流入していて湿潤に
なっていたと考えられます。ちなみに、下層の乾燥はフェーンに因って形成されたものと考えられます。さらに時間を
進めてみると…
2月13日21時(右:地上天気図 左:状態曲線)
上の図から12時間たった時、秋田はちょうど温暖前線が通過した頃というタイミングになっています。その時の状態曲線
が右側です。はじめの状態曲線と比べると、湿潤層が830hPaぐらいまで下がって、その上は650hPaぐらいまで、
湿潤断熱減率よりも気温減率が小さい「安定層」になっています。はじめの時間に比べて、温暖前線やていきあつの中心が
秋田に接近してきたことを示しています。
このようなことが把握できれば、状態曲線を見ただけで、低気圧や前線との位置関係が分かり、どの場所の状態曲線か
分かってしまうのです。
前から言ってますが、鉛直構造については苦手な人が多い項目です。日頃からウィンドプロファイラや状態曲線を見て
地上天気図とどのように対応しているのか、見比べていると、擾乱の構造も天気図も同時に理解できるようになります。
時間を見つけて、なるべく眺めるようにしましょう!(^_^)/
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2013年1月12日(土)
てんコロ.&防災気象PRO共同開催「気象予報士試験直前模擬試験」
?本番同様の試験の雰囲気で、学科(一般・専門)、実技(1、2)と行います。
内容は、もちろん全てオリジナルです。試験の中身、時間割まで、本番同様で行います(^_^)
*本番前の腕試しに…という方
*過去問をやりつくしちゃって、次のステップへ…という方
*とりあえず、自分がどこまでできるものなのかな、確認したい…という方
などなど、本番前ですがお時間のある方は、ぜひ受験してみてはいかがでしょうか?
<日時・時間割>2013年1月12日(土)
試験時間のスケジュールは本番と同様に行います。(全教科受験すると、朝~夕方までかかります!)
※集合は9:10~9:25まで)
9:10~ 教室開放 ※9:25までに集合してください
9:30~ 模擬試験概要説明
9:45~10:45 学科一般(60分)
11:05~12:05 学科専門(60分)
昼休憩 (65分)
13:10~14:25 実技1(75分)
14:45~16:00 実技2(75分)
16:00~16:10 解答&解説配布
<場所>かながわ県民センター
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-24-2 電話:045-312-1121(代表) ?
※横浜駅「西口」または「きた西口」を出て徒歩5分
<料金>
・学科(一般・専門)、実技(1、2)※全教科 ¥11550
・学科(一般)、実技(1、2) ¥8925
・学科(専門)、実技(1、2) ¥8925
・実技(1、2)のみ ¥6300
<注意事項>
・模擬試験の受験内容は、上記の料金にある組み合わせのみです。実技模擬試験(1、2)は必須、学科のみの受験は
できません。学科は、一般または専門のみの受験は可能ですが、いずれも実技試験は受験必須になります。
・模擬試験に関しての解説講座はありません。 試験終了後、模範解答を配布致しますので、各自お持ち帰りいただき
自己採点でお願いします。
<お申込み>
防災気象PROのホームページより、お申込み下さい
防災気象PROホームページ http://bk-pro.jp/test/test.html
模擬試験について不明な点がありましたら、なんでもお問い合わせください(^_^)/
お問い合わせメール report-box@ten-coro.com
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☆第38回気象予報士試験 学科試験(一般・専門)解説
2013年1月7日
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