茨城県立古河中等教育学校にて「気象と防災」というテーマで講演しました
11月11日 茨城県立古河中等教育学校にて「気象と防災」というテーマで講演してきました。
気象、天気、防災などのテーマでお話するのは、初めてではありません。
なんなら、講演依頼は大体いつもそのような内容ですから、
得意になってしゃべるほどではありませんが、今すぐ話せ!と言われればできなくもありません。
↑ 「空のふしぎがすべてわかる!すごすぎる天気の図鑑」をお勧めしています
しかし、今回は少し違いました。
何が違うって、
話す相手が活きのいい若者の皆さんであることです!
普段は、私と同じくらいか私よりも年上の、人生の先輩方々に向かってお話しさせていただくことが多いものですから、
これは大きな違いです。気象部分の話はいつも変わりませんが、防災に関してはいつもと同じ話ではいけない、
ここは、常々考えていることを思い切ってお伝えしてみようと思いました。
それが「考えて防災すること」です。
大きな災害に繋がりそうな激しい現象が予想されるときには、避難に十分なリードタイムをもって
気象庁から段階的にさまざまな気象情報が発表されます。
ただ、こういった情報はどんどん高度化していく一方で、情報を受けて行動してほしい人たちには十分に伝わらず
命を落としてしまう人もいます。
そこで、なんとか簡単に避難行動に結びつけられるように、気象庁の発表する情報に対して
住民のとるべき行動をレベル情報にして、避難のタイミングなどを簡単に把握できるようにしたわけです。
これなら、自分がいる場所や置かれている状況に、どのくらいの危険が差し迫っているのか、
それさえ把握できれば、機械的ともいえる簡単さで避難可能なのです。
↑(気象庁HPより)
普段の講演では、自分の身に迫る危険をどのように把握するか、主にその部分の情報の取り方を説明しています。
最近は、まあまあ高齢でもスマホを使いこなしている方が結構いらっしゃいますので、
案外さくさくと伝わるものだなという印象です。あとはぜひ実行していほしいところです。
でも、中高生くらいの若い人たちには、発表される情報に従うだけでなく
「なぜ避難しなければならないのか」というところから考えてほしいなと思うのです。
もちろん、危険が差し迫ってからではありません。
何でもない雨の日に、「なぜ今日は避難せずに済むのか」、それに対して
「では、避難しなければならないのはどういうときなのか」
といった感じで考えて、とことん調べて、安全に過ごすための自分の解を見つけておくのです。
これは、整備されたレベル情報を利用することよりもはるかに面倒くさく、時間もかかります。
しかし、こうして得られた自分なりの解は、必ず自信につながります。
自信をもって行動できることは、普段の生活でももちろん、災害時にも重要です。
例えば、今回の講演で広島県が発行している『私たちはなぜうまく避難できないのだろう』という冊子をご紹介しましたが、
https://www.gensai.pref.hiroshima.jp/action/pdf/koudou_jirei.pdf
(「私たちはなぜうまく避難できないのだろう~平成30年7月豪雨を体験した住民たちの証言から考える~」)
この中にあった「うまく避難できなかった理由」のいくつかは、自分の行動への自信が大いに関係していると思います。
「周りの人が誰も避難していなかったから」「うちだけ避難するか迷った」このようなことは、
災害が他人事であったり、自信の無さからくる思考です。
このような考え方を大人になってから改めるのは、困難です。
だからこそ、今、まだ若いうちに、自信をもって行動することへの鍛錬、つまり
よく考える、探求する、そういうサイエンスが必要だと思うのです。
と、知ったような口を聞いてしまいましたが
私自身が常日頃、それが大事だと思っているにも関わらず、思ったような行動が取れないので
ここは自分自身に言い聞かせるつもりで、お話させていただきました。
私は、もうだいぶ大人なので自分の考え方や行動を矯正するのは簡単ではありませんが
意識はしていこうと思っているのですよ。
皆さんには、最後まで私の話に耳を傾けてくださって、大変感謝しております。
ほんの少しでも、何か伝わっていればうれしいかぎりです。
2021年11月23日
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