今朝の気温と昨日の朝の気温について考えてみた
昨日の夜中、外がかなり冷えていたように感じ、あまり正確じゃないけど温度計では2℃ぐらいだったので、これは朝はもっと
気温が下がって、また氷が張るかしら…?と思い、水を張っておいたのです。が、しかし、朝6時頃に外に出てみたら…なんか
あまり寒くない!風はちょっと強め。おや?案の定、氷が張っていなかった(>_<)のです。まあ、氷が張る張らないはどうでも
いい話なのですが…状況がどんな感じで違っていたのか、いろいろ見てみます。
左が25日の朝6時、右が今朝(26日)の朝6時。昨日は、秋田沖に低気圧があり、関東地方は南から張り出してきている
高気圧に覆われています。一方、今朝は低気圧が北海道の東の海上に抜けて、日本付近はキレイな縦縞の冬型の気圧配置
です。850hPaの温度場と風の様子はどうか…?
<25日6時> <26日6時>
25日の朝は、温度場としては-5~-6℃ぐらい。今朝は-7~8℃ですから、昨日よりも寒いです。また、等温線の混み具合
は一目瞭然で今朝の方が大きいですね。風は、昨日の朝は弱い西~西南西風ですが、今朝はビシッと揃って北西風。しかも
昨日よりも強いですね。強い寒気移流の場となっていることが分かります。
じゃあ、なんで今朝の気温は、思ったほど下がらなかったのか?
熊谷のウィンドプロファイラ、舘野のエマグラムをそれぞれ、25日朝と今朝26日朝を比較してみます。
<熊谷のウィンドプロファイラ 25日朝> <26日朝>
このウィンドプロファイラの表示は、水色の▼で下降気流、赤色の▲で上昇気流を表します。昨日は、1000m付近は概ね
西風、850hPaあたりは南西風で、700hPaより上は西風が卓越し、700hPaまで特に強い風がありません。一方、
今朝の状況は、観測できた650hPa付近まで、大体北西~西北西の風で揃っていて、しかも昨日より強いです。また、
今朝の鉛直流は、ちょっと分かりにくいかもしれませんが4時以降はどの高度でも下降流となっています。
舘野の状態曲線で見ると…↓
<舘野の状態曲線 25日9時> <26日9時>
今朝のエマグラムでは、850hPaまで気温の状態曲線がほぼ乾燥断熱線に沿っており、空気はよくかき混ぜられている状態。
また750hPaより上空には、550hPaあたりまでほぼ等温で、乾燥した層が見られます。空気が沈降してできたものと
思われます。つまり
<25日朝6時> <26日朝6時>
地上気温に等温線を引いたものです。赤線が0℃線で、0℃線より内側で濃い紫色になるほど気温が低いことを表します。
今朝の気温の状態は、群馬、栃木南部、埼玉、茨城南部、千葉…という形で、強めの北西風がしっかり吹き出している
ところで、昨日の気温と大きく異なる場が現れています。また東京へは、埼玉方面からの空気の流入があり、大して冷たくも
ない空気が流入しており、東京の気温低下に加勢してくれなかった状況です。
まとめますと
①昨日は、内陸部の放射冷却が効き、今朝は効かなかった。
②内陸の放射冷却が効かなかった理由の一つとして、強い北西風の山越えにより沈降場となりフェーンが発生した。
東京の気温は、内陸の放射冷却の効きが悪くて、その恩恵を受けられなかったこと。また、25日の朝は3連休明けの朝で
かなり空気が冷えていた、そんなことも考えられます。
原因は一つではありませんが、気温一つとっても難しくて、オモシロイです(^_^)
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2012年12月26日
カテゴリー:天気の話題