収束線はコワイね?の話
日本付近が冬型の気圧配置…に、これからなるよ!って時に、関東?東海地方の南岸にはシアラインができること
がよくあります。下層寒気の吹き出しが、関東?東海の南岸で収束しちゃって、シアラインができるのですが、
これが、なかなか厄介ものです。
気象予報士の勉強をしていると、「関東地方は冬型の気圧配置では雪は降らない」ということを聞くことがある
かも知れません。確かに、冬型の気圧配置の直接の影響では雪は降らないと言っていいのかも知れませんが、
二次災害的に、雪が降ることがあります。それが収束線のコワイところです。
昨日の夜9時の地上天気図です。黄海付近に中心を持つ高気圧が日本付近に張り出しつつあり、確かに冬型の
気圧配置です。これは、収束線による降水が終わった後ですが関東の南岸にちょっとしたへこみがあるのが
分かりますでしょうか。この何の変哲も無いへこみが、少しスケールを小さくして考えると、非常に困り者
なんです。こういう「へこみ」を「弱い気圧の谷」とか言っちゃったりします。これができるのは、上空の
ジェットの位置、ジェットに伴う渦の動向がまず関係してきます。
上の図は、500hPaの高度・渦度分布図です。5400mの等高度線に沿って、正渦度の極大値が通過中です。
雲画像(ここでは省略しますが)からも、5400mあたりに強風軸があったようです。こういった渦の通過に
伴って、下層の風もグルグルっと影響を与えられます。収束線をより明瞭にして、なんなら小さな低気圧性
の循環も形成することがあります。
上空500hPaの寒気の様子です。上空の渦の通過に伴って、夜中にかけてー30℃線がどんと南岸まで下がり
寒気が入ってきます。結構な強い寒気ですね。
850hPaの寒気の入り方は上空ほどではないですが、関東?東海はー6℃以下で、そもそもかなり強い寒気が入って
ピークを迎えているところです。左の図(19日21時)では、関東から東海の南岸に気流が膨らんでる格好になって
いるのが分かりますでしょうか。
で、できた収束線がコレです。中部山岳を回り込む形で収束しているのが分かると思いますが、ここで降水現象が
あるような雲を発達させるかどうか?は、上昇流のがんばりにかかってます。すると、やはり寒気が強かったり
渦が大きかったりする必要があるわけです。
残念ながら、このような収束線は数値予報の格子間隔ではまだビシッと捉えることはできません。収束線の予想は
していても、位置がズレたり降水を予想してくれなかったりします。上の図でも、静岡県東部から神奈川県西部に
かかるエコーが見られると思うのですが、これは表現されていませんでした。いや?、難しいです。
こういうのを、「分かってくる」とだんだんお天気もオモシロくなってきます!きっと!
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2012年12月20日
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