今夜は大気の状態が不安定

今日は、29日21時イニシャルの天気図を解説していきます。

<実況>

中国東北区には500hPa・-30℃以下の寒気を伴う寒冷渦があって南東進しています。また、寒冷渦の周りを回る5400~5460m付近の強風軸上には、-24℃以下の寒気を伴うトラフがあって、寒冷渦に先行して北海道付近を北上しています。この強風軸の南側、5580m付近には別の強風軸があって、この強風軸上の華北にある正渦度極大域(+162)が、南東進しています。これらは、水蒸気画像で見ると渦や暗域が明瞭なので、確認してみてください。

<予想>

寒冷渦はこの後、深まることはなく24時間後にかけて北海道からオホーツク海方面へ北東進していきますが、寒冷渦の後面から新たに正渦度極大域(+131)が南下してきます。これが-24℃以下の寒気を伴うトラフで、24時間後にかけて北陸沿岸に達する見込みです。このトラフの動向と位相を合わせて、5580m付近のトラフが深まり、24時間後には紀伊半島付近に達する予想で、日本付近は初期時刻の東西流型から南北流型に変わっていきます。トラフの南下に伴い、大きな渦と寒気も南下してきて、大気の状態が不安定になるわけです。下層では、850hPaの関東南部に残る暖湿気、北東~東よりの地上風があって、内陸のほうから持ち上がりそうです。南下するトラフの位相は合っているようですが、36時間後にかけてはそれぞれ、5580m付近の正渦度極大域は東北東へ、5640m付近の正渦度極大域は南東へ進む予想で、これに関連して起こる不安定現象は関東北部や伊豆諸島方面になりそうです。とはいえ、対流性の降水を、このような大きなメッシュのモデルだけで判断するのはナンセンスですから、実況とMSM・局地モデルなども見て予想を立てないといけないですね。

2021年3月30日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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