千葉県の雪
今朝,6時頃のこのこ起き出して,筑波山の実況を確認したんです.筑波山は標高877mで,このあたりの気温で降水が雪になるかどうか,ちょっと目安にしてるのでね,見てみたんです.そうしたら…ぎゃあ,-2℃とかなってるし.慌てて,関東平野部のアメダスの気温をチェックしたら,全体的に気温は低めだけど,特に千葉県北部や茨城県南部あたりで低い所がある.そこで,成田空港の実況をジロジロ監視していたら,急に気温がぐいぐい下がってきて,観測が雪に変わったんです.
確か…3月14日~15日朝にかけて,関東の東海上で低気圧が急速に発達するという事例があって,その時は「千葉県北部や茨城県南部で,降水量が多くなる朝の時間に,短い時間だけど気温が下がって,うっすら積雪するかも」と言ったんです,私.でも,雪降らなかったし,METARで見てもミゾレもない,全くの雨だったんですねー.
で,今朝.成田付近は雪になって,いや房総半島南部でもちょっと標高のある所は雪になり,積雪しました.あー,15日の朝に想像したのはまさにこのイメージだ!と思いました.そう,つまり今回もハズしたということです.
左が15日,右が今朝です.低気圧の発達度合いは今回のほうが遅い感じです.ただ,降水のピークや風の強さなどは関東南部ではそんなに大きく変わらず,早い時間から結構強い風が吹いています.
ただ,今朝のほうが内陸から概ね北西~北北西の風で揃っているようです.雪になるかどうか?予想の段階でよく見るのは,850hPa気温はもちろんですが,925hPaの気温です.ということで温度場を比較してみます.
図の形式が違いますが,上の段2枚が15日朝,下の段2枚が今朝の850hPa気温(左)と925hPa気温(右)です.温度場自体は15日のほうが低いことが分かりますが,925hPaは0~-1℃と大きく見れば,今回とあまり違いはありません.やはり朝の降水のピーク時に関東南部で0℃層が下がる様子を表現しています.これで,前回は雪を考えたのです.しかし,
ご覧ください.模式図かっ!というぐらい気温の鉛直分布が一直線に上空にいくほど下がっています.0℃の層は予想通り925hPaぐらいにありますが,それより下層に,雪が降る時の特徴である安定層がありません.ちゃんとした滑り台…
この時,予想されていた降水量はピーク時に時間2~3ミリ.この温度場に対して,この降水量は結構しっかりしてるのではないか?そう思って,雪を考えましたが地上気温は全然下がらずでした.風が強く,関東南部は広く2~3℃ぐらい,同じような気温になってしまっていました.この反省を踏まえて,今回はどうでしょう…
上の2枚は,左が朝7時の推計気象分布(気温),右は6時・7時の2時間の積算降水量分布です.特に,房総半島でこの2時間10ミリ以上の雨が降り,時間雨量は5~6ミリ,そんな降水量の多い所に沿う形で千葉県の内陸で気温が低い状態になっています.このあたり,まさに925hPaの0℃以下が予想されていた所です.つまり,降水量が前回の倍ぐらいあって,強い降水があったということなんです.
エマグラムはこの時間,まだ入ってませんので左が昨日(26日)夜です.前回同様,夜の時間は滑り台ですが,想像するに今朝は右図のようになってるのではないか?緑線を加えました.あ,つくばはあまり地上気温が下がってないので,成田空港あたりでエマグラムを作ったら,こんな感じっていうことです.
じゃあ,降水量が予想よりも多かったということなのか?というと,そうではなく,確かに降水量が多く予想されていました.同じような温度場で,「前回(15日)の倍の降水量があるから,雪になるかも…」という単純な話で判断はできませんが,前回と同様に雪を考えるべきだったな,と思いました.はぁー(・∀・;),私は,いつになったら千葉県の雪を当てられるようになることやら…