鳥取の大雪がすごいですね
今回もまた強い寒気が流れ込んできましたね.松江の状態曲線ではもう地上付近以外ほぼ全層で氷点下.平年を比較してみると(平年値は米子,黒線が平年),もちろん全層平年より低く,特に700hPa~500hPaの気温が平年よりかなり低くなっているのですね.
いや,もちろん大雪は鳥取だけではないですが,また自動車が300台以上立ち往生しているということで,いかに一気に積雪が増えてきたか昨日から今日にかけて時系列で見てみると
<気温(黄色の折れ線),風向(赤△※16方位),風速(ピンクの折れ線),降水量(緑の棒グラフ),降雪量(前時間との積雪差)(紫色の棒グラフ)>
鳥取の23日0時から24日15時までの各気象要素の1時間間隔の時系列変化です.
①大きく見ると,降水が多くなっているのは23日の午前中と24日の明け方から昼過ぎにかけてです.中でも降雪量がどんっと多くなっているのは,23日未明~朝の時間帯と24日明け方~朝の時間帯です.
②特徴的なのは,北寄りの風が強く吹いている23日昼過ぎから24日未明までは,気温はずっとプラスで高めで推移し,降水量も多くないですね.一方,積雪が増えている時間帯は,南寄りの風が卓越しているか,もしくは風速が2m以下と弱く,気温は0℃付近で低い状態が続いています.
やはり,海からの風となる北よりの風が強く吹きこむと,地上は冷えにくいのですねー.じゃあ,南寄りの風が吹いてる時や風が弱い時って,どんな時だろう?
地上気圧(MSM)と流線(数値解析)とレーダーエコー合成図※ピンク色の流線は風速10m以上,旗印が鳥取 左:23日0時 右:23日6時
それは,このように山陰沖には北寄りの風と西北西の風が収束している見事なシア―ラインがあって,まさに鳥取付近に到達しているときです.シア―ラインが,3時にかけて鳥取県から島根県の沿岸に達しており強いエコーが見られ,これで降水量が多くなり,しかも明瞭なシアの所は風が周りより弱いため,沿岸部から平野部に短い時間で多量の雪をもたらします.こういう降り方をするから,日本海にできる収束帯はコワイよ,気をつけなければならないよと言うのです.
例えば,降水がほとんどなく気温が高く推移している23日の午後(左:15時,右:21時↑)は,鳥取付近にシアはほとんどなく北寄りの風が強く吹いています.24日の6時~8時頃に再び強い降水で積雪が多くなるタイミングがありますが,その時間帯を見てみると↓
23日と比較するとエコーは弱いですが,やはり沿岸部にシアが到達している時にバサっと積雪が増えるのだということが分かります.
今回は温度場がかなり低く,少しでも地上付近の温度が上がらない状況になれば降水は雪となり,しかも断続的にシア―ラインが到達してこのような大雪になっています.
25日になるとやっと状況は改善して鳥取を指向するシアは無くなりそうですが,それでも温度場はまだ低く,北寄りの風で山沿いの雪が続きますし,今夜から明日朝にかけては,島根県や山口県などもう少し西側にシアが到達するようになってきますので,この辺りはまだ注意しておかないとですね.
2017年1月24日
カテゴリー:天気の話題