昨日から今日を復習してみると…台風第13号
あら?そう言えば最近,なんだか台風の話題ばっかりですね.まるで台風好きみたいだけど,仕方ないよね~,次々と来るんですもん.しかも気になるオモシロイことばかりです.とくに今回の台風第13号は…ということで振り返ってみます.
<そもそも台風だったのかしら…>
台風は一体どこにあるのか?と思われるぐらいの豆っぷりですね.前回も小さかったですが,前回の小ブリの台風はちゃんと中心付近がグルグルしていて,まさに小規模の台風でしたが,今回の豆は中心のバツ印に丸1個.その周りはモワーっと等圧線の間隔が広いです.本当に中心付近で34kt以上の風が吹いているのだろうか….強いて言えば,南海上に中心を持つ高気圧番長はその循環が強く,台風の周辺ではこの高気圧との間(台風中心の南側)で気圧傾度が大きくなっていて,ここでは確かに強い風が吹いているようでした.うーん,その強風はやっぱり高気圧番長のおかげ様なんではなかろうか…
ただ,975hPaの相当温位と風の分布を追ってみると,確かに熱帯擾乱のようですから.すると熱帯低気圧のまんまやってきたのではないかしら?と見えます.
MSM3時・6時・9時・12時,975hPaの相当温位と風の初期時刻です.紫色で着色してある領域は,相当温位345K以上の高相当温の空気のエリアです.0時の図に「これを追って見て!」とあるのが,熱帯擾乱に対応する,低気圧性のシアと相当温位の高い空気の塊です.3時以降,追跡してみると,その塊魂は北東進しているのが分かります.その塊の北側に目を向けると,等相当温位線が集中してて,シアが明瞭である所に強いエコーが見られるようです.特に,あさ9時の天気図をご覧ください(左下).日本海にある明瞭な低気圧性の循環から南西方向にのびる傷口のような,ほっそ長い真っ赤なエコーはちょうど寒冷前線さながらです.ということは…前線は先ほどの熱帯擾乱の北側で等相当温位線の集中帯を目安に書いてもいいのかな,と思ったのです.
<寒冷前線っぽい,シアの通過>
ウィンドプロファイラを見てみると,明瞭なシアの通過が見られますが…
特に,美浜あたりのシアなんて,寒冷前線みたいです.そんなこんなで,私が考える前線としては,北のシアに沿って書いてもいいのではないかな~と思ったのです.皆さんも天気図振り返って見てみて下さい!
待て待て.そんな直近の思い出に浸っている場合ではありません.だから,これらを踏まえてやっぱり,下層の暖湿気の流入するところ,どんなふうに流れ込むのか目を光らせる必要があるわけです.
低気圧性の循環は秋田沖でぐるっぐるですが,それに向かうように太平洋側では,20m/s前後の南東風で暖湿な空気が東北地方の太平洋沿岸に流れ込む予想です.これは宮城県に特に鋭く突っ込んでいますが,今すでに宮城県では強い雨が降っている所があります.予想より少し早いのかな…この後,このは次第に北上していきますから,あす明け方頃にかけては岩手県,その後は北海道東部でも大雨に警戒する必要があります.まあ,もうすでに最大級の警戒はしていると思いますが.
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今回でもう9回目になるのですが,毎回少しずつ進化しています(そのハズ…).取り上げる事例は,もちろん災害につながった事例を…という基本はあるものの,そんなにたくさん災害は起こりませんし,起こってもらっちゃ困ります.ですから,その他にワタクシの思い入れたっぷりの事例を取り上げているわけです.例えば,予報で大失敗してしまった事例,逆にビシッと当てられた事例,お客さんにガミガミ怒られた事例,自分が巻きこまれた事例…などなどです.
どんなオッサン(きっとスゴイ人だけど…)が作ってるか分からない本番の試験よりも,「あー,てんコロ.が作ってるんだから,きっとこれで失敗したんだろうな,お客さんに激怒されたんだろうな」などと,想像を膨らませながらできる,腕試しという本来の意味ももちろんですが,ある意味きっと楽しんでもらえると思います.第9回(最新)の気象予報士模擬試験(実技1,2)の表紙
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