台風第10号が終わったと思ったら,早くも12号ができました

RSM_16_0901_1740最新の台風第12号の進路予想

予報円がまだ大きいですね,特に3日以降はまだ絞れていないということですが,いずれにしても西日本方面に向かう予想になっています.

台風第10号が温帯低気圧になって,大陸へ進んだかと思ったらもう台風第12号ができて,一息つくヒマもねーな!なんて思われるかも知れませんね,予報を見ないと.台風第12号は,台風の動きを左右する上空の風の流れから考えると西日本のほうへ進みそうで,関東地方への影響は無さそうです.

<台風第10号に因る東北地方の大雨>

これに関しては,気象庁もテレビの天気予報でも,様々な言い回しで伝えられてたと思います.

東北地方に台風が上陸するのは初めて
24時間で300ミリ~500ミリ
平年の1か月で降る雨が1日で降る,など
1日前から言われていましたし,もちろん当日も関東から東北の太平洋沿岸部を北上する台風が,実際に何をやらかしながら近づいてきているのか,目の当たりにしていると思います,岩手県は.

RSM_16_0830_1200実況30日15時.旗印が岩泉町付近.まだ台風の北側の強い雨雲がかかる前.これから来るよ,という情報はバンバン出ている状態.

どの言葉も,どんな情報も,すぐには想像できない,なんだかピンとこない表現や数字だと思います.でも,だからこそこれらは,皆さんのこれまで経験や想像を超えることが起こる可能性がある,それぐらい危険であることを伝えていたのだと私は思います.

台風第9号や11号の事例も直近にあったので,情報を受け取る側の防災意識も普段より高まっていたように感じますが,そんな中でのあの岩手県の被害には…とてもショックを受けました.危険度は伝わらなかったのだろうか?

町長さんの話では,「危ないと思った時はもう暗くなっていて,避難するほうが危険が大きいと思った」そのような事を言っていたようです.施設の方の「こんなことになると思わなかった」という発言や,「夜は職員が一人だから」という意見も見かけました.だから何時間も前から,危険だと言っていたわけで,まっ昼間の明るい時間はたくさんあったはずです.

気象災害なんて人生で1度あるか無いか程度,多くの人にとって「経験したことが無い」ことになります.今回は岩手県に,そういう危険が迫っているんだ,ということで
気象庁が会見まで開いて注意・警戒を呼びかけてたわけです.それで「危険度が伝わらない」とか,「避難勧告や指示がない…」とかいうのは,それはもう大部分がこっちの問題,つまり情報を受け取る側が危険を感じとれないことの問題だと思います.

岩手県の河川情報システムというページで,川の水位の変化を見ました.観測所によって違いますが,普段は1.8m前後,浅いところだと,1m未満の川なんですかね.うちの近くの川と同じです.そんな川が,まだ本気で雨が降り出す前から水位が徐々に上昇してきていました.そして夕方以降は10分間で20~30cm,雨のピーク時は10分間で50cm近く増水する勢いで,ぐんぐん水位が上がっていくのが分かります.みるみる上昇する様子は,きっと恐ろしく,だから,夕方以降に避難行動を起こすのは危険だと思うのは分かります.そうなる前に行動してもらうための,防災情報です.

気象災害が本当に起こるか起こらないか?なんて正直分かりません,でも,起こる可能性が高いのか低いのか,そういう情報を頼りに行動するしかないのです.一方で,ただ煽るだけの情報に惑わされて,中止にする必要のない屋内イベントを一週間も前に中止にしたという話も聞きました.そういう早めの行動が大事ですね…と,その方はおっしゃってましたが,「早めの行動」ってそういうことではないと思います.だって,それだったら南海上に台風が発生したら,すぐにイベント中止!ということになってしまいますよね.そんなバカな話ありません.天気予報や防災情報は,災害を回避するためにあるし,損をしないためにあるんです.

伝え方はもちろん,まだまだ改善しなければならないことはあるでしょうが,同時に,私たちが情報を受け取った時にどういう行動を取るべきなのか?本当に行動に移せるのか?よく考える必要があると思います.

まあ,私自身もこういう災害を経験したことがないので,自分に問うてる部分もある…というわけです.

2016年9月1日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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