天気はコロコロ変わるし,予報もコロコロ変わる
今日の午後の空模様です.どうですかー,どんよりといい曇り空ですよね.これは前線が通過する前の,てんコロ.オフィス上空であります.この少し前から南寄りの風がときおり強く吹きはじめました.「おや?今日はそんな感じだっただろうか?」そう思ったのも,私が前に天気図を見たのは,26日(金)のことです(・∀・;)そうです,だいぶ前なのです.29日9時の予報…それが私の見てない間にどのような変貌をとげたのか?FAX図(48時間先までの)で遡れる所から見てみます.
あ,今朝9時の天気図はこのような感じです.
<27日00Zからみたいだぞ>
①27日00Z ②27日12Z
③28日00Z ④28日12Z
27日00Zの48時間先…それが29日9時の予想.そして,12時間毎に並べてみましたー.イニシャルで言うと面倒なので,一番古いものから①②③④と呼ばせて下さい.
深いトラフという印象はずーっとあります.少しずつトラフの走向が「北東~南西」方向から「北~南」方向が強くなっているようにも見えます.特に,トラフ前面の負渦度の巻き込み感がハッキリしてきて,リッジがより強くなり,流れのメリハリが出てきているようで,そのせいか,東海上の(北緯40度付近に中心を持つ)高気圧も,次第に幅をきかせてくる予想に変化してきています.今回の主役の秋田沖の低気圧に注目してみると,①で少し南に予想していますが,②以降はほぼ同じ位置に予想しています.ただ,中心気圧だけ取り出して比較すると,①では1008hPa,④では996hPaということで,当初の予定よりも12hPa下がって,一番目に見える変化になっています.
他の天気図はどうかなー.①時点での上空の温度場や下層の予想は,下のような感じ.トラフの深まりに併せて,寒気の南下もなかなかの鋭さです.850hPaの気温・風や700hPaの鉛直流の予想も,寒気移流や暖気移流はしっかりしているし,前線付近の鉛直流も大きいし,低気圧がこの後さらに発達しそうな形は出ています.(下の3枚は①のイニシャルです)
<27日12Zになると…>
前のイニシャルよりも,トラフ前面への乾燥空気の回り込みがクッキリしてきました.暖気移流も前より強く,特に温暖前線付近での強い南よりの風や上昇流の強まりが目立つ変化というところでしょうか.それに合わせるように,相当温位の300Kの線は,前イニシャルよりも北上しています.
<28日00Zから28日12Z…>
28日の00Zは,①から②にかけての変化がさらに明瞭になってきた,という感じなので省略します.そして,28日12Z
地上の低気圧の中心はまさかの4hPa毎に階段を一段一段おりるように下がり,その他の天気図でも27日12Zあたりから,この低気圧は29日には発達すんぞ!ということを心に決めてるようだったことが分かります.そっかー,そうやって変わってきたんだね,私の見てないうちに(・∀・)
<天気はコロコロ変わる,予報もコロコロ変わる>
今日の天気もコロコロと変わりましたが,予想もイニシャルが変わるたびに変わります.天気図を大きく捉えると,随分前からこの深いトラフを予想できてすげーなーと思います.小さく捉えると,今回の事例に関わらず,計算するたびに少しずつ変化しているのは当然で,天気予報はこの小さな変化が結構大事なことですよね.
予想なんて,変わるのが当たり前!ってことで,これは仕方ないことなのですが,じゃあ予想が変わった時に,時間が変わったのか?量的なものが変わったのか?それで,何が変わるのか?考えて,新しく,その時にいちばん可能性の高い予報を出して行かなきゃいけないっていうのが天気予報なワケです.(あ,気象庁の天気予報に関わらず,予報業務を行っている会社がお客さんに出す予報も含めて)
うーむ,あらためて天気予報ってなかなかの難しさで,なかなかの責任重大ですぞ…そんなことを改めて思う,今日この頃です.
2016年2月29日
カテゴリー:天気の話題