この時期の寒気はコワイですね

上空に寒気が入って、大気の状態が不安定…がコワイということではありません。最近、上空に結構な強さの寒気が入ってきて、大気の状態が不安定で、大雨が降ってると言われてますが、別に雨は寒気で降るわけではありません。やっぱり、水蒸気が凝結して（氷もですが）、大きく成長して、降ってくるのです。上空の寒気なんて、ただの土台、下地に過ぎません。そこから、いろいろな条件が加わって、大雨が起こります。

さて、私がコワイと思ったのは、この時期のちょっと高い山です。私は、山に登りませんからよく分かりませんが、これから紅葉のシーズンが始まると、山が趣味の方は、少し高い山に登って、紅葉を早めに楽しむそうですね。きっと、絶景なのでしょう。秋口は特に、地表面あたりにまだ夏の空気を残しているのに、上空には冬のニオイのする空気が時折流れ込んでくる季節です。身近な所で、富士山の気温を見てみると、昨日、今日とかなり低く、昨日なんて一日中ほとんど氷点下でした。

地上で雪が降る時、よく目安にする上空気温があります。あくまでも目安でしかないのですが、８５０hPaで－６℃線は、チェックしておきます。ところが山では、もっと高い気温で雪になっちゃいます。標高がそもそも高いので当たりまえなのですが、地上と同じ感覚で天気予報を見てはいけないということですね。なるほど、確かにそうだ…。

北海道付近には、明日にかけて８５０hPaで３℃、５００hPaで－２０℃位の寒気が入ります。こちらには、すんばらしい紅葉が日本一早く見られる大雪山系がありますね。まさに今、シーズン真っただ中で、見ごろだそうです！例えば、こういった山方面にお出かけする方は、当たり前ですが、天気にかなりシビアになった方がいいですね。そして、テレビの天気予報レベルではダメということを覚えておきましょう。テレビの天気予報は山のためのものではありませんし、詳細を伝えるものでもありません。しかし、山歩きを安全に行うためには、テレビでは伝えられない、その山に特化したような詳細な天気予報を知る必要があります。「そんな大げさな…」っていうぐらいがいいのかも知れません。

＜てんコロ．のラジオっぽいTV！３７３（寒気が入って不安定＝雨が降る…わけではありません）＞

※粗い動画なので画面を小さくしてみました。