誤解のないよう…「湿舌」って、大雨の原因じゃないよ!

同じ日にアップしました、九州の大雨のお話。私は850hPaの天気図を使って、高相当温位域の流入と強風、そして大雨の話をしましたが。勉強されている皆さんには、誤解のないように、と思い、もう一度記事を書きましたー。いかんいかん。

「湿舌は大雨の原因…」ではないよ!

もう、スクールでも散々言っていますが。湿舌は、700hPa付近に現れる帯状にのびた湿り域、もしくは高相当温位域ですが、これは、大雨の原因ではなく、むしろ結果です。梅雨前線帯の対流活動により、上の方が湿ってきた現れです。つまり、梅雨前線帯=湿舌なのであります。梅雨前線の100km以上も南側で、よく集中豪雨が発生しますが、それは、500m以下の大気の下層も下層、スカイツリーよりも低い高度に突っ込んでくる水蒸気が問題なのです。そもそも、対流活動が活発な領域、つまり湿舌の南端の下層に、水蒸気がドスンと突っ込むと、そこで対流が立ち、しかも、水蒸気の流れ込みや前線帯の位置が変わらない限り、発達した積乱雲が次々と同じ地点に流れ込む集中豪雨につながるわけです。

ということで、念のためですが、今回の事例の、925hPaの予想図と975hPa(3日9時以降)の解析図も載せておきます。流れは大体同じですが、345K以上の領域で見ると、もっと幅広く、南の海上から流れ込む様子が分かります。

(925hPa)

RSM_14_0702_2100 RSM_14_0703_0300 RSM_14_0703_0600 RSM_14_0703_0600 RSM_14_0703_0900 RSM_14_0703_1200

(975hPa)

MSM_14_0703_0900 MSM_14_0703_1200 MSM_14_0703_1500

 

2014年7月3日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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