前回の問題を少しずつ整理してみよう2

<第39回気象予報士試験・一般分野>

問2

凝結の潜熱によって、どれだけ気温が上昇するか?という、私も含めて熱力学が苦手~(T_T)な人にとって、とてもいい問題だと思いました。水蒸気が凝結すると、潜熱が放出されるっていうけど、その熱って一体どれぐらいなの?というのが、具体的に分かるというのがいいですね。

(問題文)夜間に晴れると放射冷却によって放射霧が発生することがあり、この場合には雲粒周辺の空気は、水蒸気の凝結の潜熱によって温められている。

いきなり問題文に書いてある、コレ!すごい勉強になりますね。確かにそうなんです。放射冷却してるけど、霧が出ると気温の低下は止まります。冬の予測では、たまに悩まされます^_^;。

問題は、凝結熱とか定圧比熱とか、メンドクサイけど一つ一つ意味を考えながらやると、遠回りでも解けます。この気層には水蒸気量が0.03kg含まれてて、コイツが全部凝結して、凝結熱を出した時に300mの気層300kgを何度温度上昇させられるか?という話です。

水蒸気の凝結の潜熱は、2.5×10Jkgー1だと言ってます。これは、1kgの水蒸気が持ってる潜熱です。じゃあ、0.03kgだったら?っていう計算をすればいいのです。で、計算すると7.5×10Jということになります。この熱を使って、300kgの空気の温度を上昇させるってワケです。ここで、定圧比熱が登場します。定圧比熱は、圧力を一定に保って、1kgの空気塊の温度を1℃上昇させるのに必要なエネルギーです。ここでは、1000JKー1kgー1です。1kgの空気塊を1℃上昇させるためには、1000Jのエネルギーが必要なんですね。で、ちょっと遠回りしますが、じゃあここにある300kgの空気塊を1℃上昇させるのに必要なエネルギーは?と考えると、3.0×10Jなんです。多いですね~、大変そうですね。でも、今ここで水蒸気が持ってる潜熱(エネルギー)は、先ほど計算した7.5×10Jだけです。できる力で、頑張りましょー。このエネルギーで何度上昇させられるか?

3.0×10J : 1℃ = 7.5×10J : ?

計算してみると…0.25℃になります。つまり、この水蒸気が凝結して潜熱放出すると、この気層を0.25℃も上げられるんです。私は、この答えを見た時、おーーー!結構な気温上昇だな…と思いまして驚きました^_^;

2013年7月22日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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