水蒸気画像にも注目
気象衛星画像というと、赤外画像と可視画像が主役みたいですが水蒸気画像もものすごく使えます。
<水蒸気画像>
大気中層の水蒸気量を「目で見て分かる」というスグレモノです。逆に言うと、大気中層が乾燥している様子も分かります。下層に暖湿気が入ってると、気層全体が持ち上がった時に不安定が顕在化する可能性など知ることができます。また、赤外画像や可視画像は、雲ありきの画像ですが、水蒸気画像は雲が無い所でも大気の流れが分かるという利点があります。
例えば、こんなことです。
19日2:30分の赤外画像です。東シナ海の雲域と、三陸沖の雲域に着目してみます。赤外画像で見ると、何キッカケで発生している雲域なのか?ちょっと良く分かりません。ですから、他の天気図も見るわけです。これはもちろん重要な作業なのですが。
同じ時刻の水蒸気画像です。気象庁のHPで見られるものです。すると、東シナ海の雲域付近には、矢印で示したような低気圧性の渦が見られます。これは、上層寒冷低気圧によるものではなかろうか?また、三陸沖の雲域は、水蒸気画像における暗域の先端部分に見られ、これはトラフが近づいて発達したヤツか?とかなんとか、あたりをつけて天気図を見ることができるわけです。
<300hPa高層天気図・上層寒冷低気圧の位置は赤丸部分です>
気象庁のHPでは、カチカチっと画像を動かして時間経過を見ることができますから、ぜひ水蒸気画像も合わせて見てみてください。
2013年7月19日
カテゴリー:新着情報