ヒートアイランドってなんだ?

「ヒートアイランド」ってなんだ?という疑問を投げかけてしまいましたが、なんとなくはご存じですかね^_^;。先日(7月1日)に気象庁からこんな報道発表がありました。

『関東地方等の都市における都市化による気温上昇等について調査を行い「ヒートアイランド監視報告(平成24年)」として取りまとめました。』とのこと。

気象予報士試験では、都市気候に関しても出題されることがありますから、この報告を受けてもう一度まとめてみるといいかなと思います。

<ヒートアイランド現象の原因>

①オフィス、工場、自動車などからの人口排熱の増加が、大気への顕熱輸送量を増加させている。

②都市の高密度化により、日射による蓄熱効果で大気への顕熱と赤外放射量が増加している。都市内で、平均風速が減少し、地表面付近の熱交換速度が低下している(上空に拡散しにくく、都市に熱が溜まりやすい)。また、沿岸部にあるこのような都市のせいで、内陸部の都市がさらに高温化。その他、高層建造物の増加による天空率の減少により、夜間の赤外放射量が減少している。(夜間に都市が冷えない)

③地表面被膜状態(土地利用)の変化。舗装された道路やビルなどの蓄熱が大気を暖める。一方、芝生や森林などがある公園緑地は、日中は蒸散により地表面温度が高くならず、また夜間は放射冷却により表面温度が下がり、空気を冷やす。つまり、前者が増加し、後者が減少したことによる高温化。

以上のようなことが主な原因です。

<日中のヒートアイランド、夜間のヒートアイランド>

関東地方で言えば、練馬、熊谷、館林など内陸は特に気温が高くなる所で有名ですね。温度分布をみるとやはり、アイランド状になっていることが多いですから、ヒートアイランド現象なのでしょう。内陸部の高温化は、例えば太平洋高気圧にしっかり覆われているという気圧配置によるものにプラスして、そもそも海風が内陸部まで入らない、沿岸部の都市の影響で海風が弱められてしまう、などの原因があります。しかし、ヒートアイランド現象として、最も顕著に現れるのは日中の暑さではなく、夜間に都市部で気温が下がらないことに現れます。

夜間のヒートアイランドは…

(夜間のヒートアイランドの仕組み)

夜間は、海風は弱まり、通常は陸風が吹くのが日変化ですが、図のように陸風はそもそも弱いですから、沿岸部までは到達しません。郊外は、都市部と比べると緑地が多いですから、夜間は放射冷却が効いて気温は低下します。ところが、図でいう所の「東京砂漠」(ふざけて書いちゃいました)は、舗装や人工建造物が多く、夜になっても高温域が残ります。結果的に、夜間に都市部にヒートアイランドが現れるのです。

2013年7月12日~天気はコロコロ変わる~   合同会社てんコロ.
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