大気の状態が不安定で、、、
4月27日0時20分、新潟付近のレーダー画像です。強い所で、時間50ミリ前後のエコーがかかっています。
この辺では、どうやら雷がバリバリ落ちているクサイです。
天気予報を見ていた人は何度か耳にしたとは思いますが、「大気の状態が不安定」ということです。
上空の様子を見てみます。(MSM)
(左図)500hPa等圧面における、高度(青線)、気温(赤線)、渦度(茶色の網掛け域が正渦度)のMSM予想図。
(右図)850hPa等圧面における、気温(赤線※青線は0℃線)、流線のMSM予想図。
500hPa付近の上空にはちょうど-30℃以下の寒気が今まさに入らんとしているところです。-30℃というと、この時期
輪島の500hPa気温の平年値が-17~-18℃ぐらいですから、これはかなり強い寒気ということになります。
一方、850hPaでは北西風の寒気移流となっていて、ウィンドプロファイラでも上空1kmまで北西風です。地上気温も
一ケタ台となっています。しかし、地上風がかなり強い南西風で、どうやらシアが大きそうです。
このような不安定下では、落雷、降雹と竜巻にも注意が必要です。
<「大気の状態が不安定」は、上空と地上の気温差だけでははかれない!>
「大気の状態が不安定」というと、とかく上空と地上気温の差だけで語られることが多いですが、それだけでは「不安定」を
語れません!いろいろな角度から見てみて、一番何に注意したらいいか?ってことも考えなければなりません。
*上空の「強い寒気」は平年と比べてどうなのか?
*下層の暖湿気の補給はあるのか?ないのか?
*風の鉛直シアはどうなってるのか?
*地上気温と上空寒気の温度差はどうか?
それでも、竜巻などは遭遇することが稀な現象で、予測の精度もよくありません。そういった特徴を知った上で
気象庁から出される情報を利用する必要がありますね。
2013年4月27日
カテゴリー:天気の話題