冬季アジアモンスーンが赤道域の海大陸の降水に与える影響?

今日は、ものすごーく寒いですね(>_<)。おかげさまで、ちょっと風邪引きました(x_x;)

さて、JAMSTEC2013に行ってきました!シリーズ第2回です。 今日の研究者は、服部美紀さんです!

海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境変動領域熱帯気候変動研究プログラム海大陸気候研究チーム

服部さん!すごい美人研究者です。 落ち着いた方ですが、質問には真摯に答えていただき、そして何と言っても

楽しそうにお話してくれます!?どんな方かな~って、知りたい方は JAMSTECのHPを探すと、小さい写真が載ってます。

服部さんに伺ったのが、タイトルにもある?「冬期アジアモンスーンが赤道域の海大陸の降水に

与える影響」?というヤツです!地球規模!

天気予報をやってると、どうしても日本域とか さらに言うと、ものすごく局地的な予報ばっかり 考えてしまいます。

でも、大気は全部つながってるんですよね。 それを時々思い出さないといけませんね^_^;。

<モンスーンって言うと…>

モンスーンと聞くと、真っ先に梅雨前線に絡んでくるアイツを思い出しますが、モンスーンはアジア域全体の、

暖候期と寒候期でガラリと風向が入れ替わる、地球規模の流れです。 だから「冬期」と言ったら、皆さんご存知のあの

シベリア高気圧の発達により、吹き出してくる北西風の 寒気です。日本海側に雪をもたらすやつ。 あれは、

冬期モンスーンという風系の、日本に吹き込む ところだけ取り出した、ほんの一部なんですね。 ホントはアジア全体に

びゅおーーーっと 吹いてます波

そして、その寒気の流出は、なんと 亜熱帯から熱帯にも達して、さらには 赤道を越えて、南半球にまで達している!

<冬季アジアモンスーンの風系が、赤道を越える>

ちなみに、この寒気を伴う北風は「北風サージ」 と言います。ちょっとカッコいいから、 以降使います(・∀・)!

赤道を越える北風サージは、偶然ではなく 毎年時々発生しているそうです。では、越えたら どうなるのか?

この研究により、赤道越え北風サージが、ジャワ島北部の降水量増加をもたらしている!というのです。

驚きです目 まさかあの季節風が、南半球に達して、しかも 降水量に影響を及ぼしている!

<どんだけグローバルなヤツなんだ!アジアモンスーン!>

では、 どんな風に降水量を増やしているか?

インドネシアの首都ジャカルタは、ジャワ島の西側にある都市です。北風に対して、背後は1700m程度の山が

あります。 2007年2月にジャカルタで大変な豪雨があったのですが、この時の豪雨は、毎日夜間の時間帯や

早朝の時間帯に発生するという日変化があったそう。

標高の話、そして日変化、とくれば、予報士の勉強を している方はピンっひらめき電球ときたかもですね!

この豪雨には、海陸風(というか、平野部が少ないから 山谷風とのコラボかな)が関わっています。 ?

この地域の雨期には、午後から夕方にかけて 山岳域で激しい雷雨が発生します。そして 陽が落ちると、

雷雨も収まり、同時に降水によって 冷やされた空気が山岳斜面を下降し、夜間~早朝に かけて、

ジャワ海に向かう陸風が吹きます。 コレ!このタイミングですΣ(゚д゚;)

その陸風と、赤道越え北風サージが強く収束して ジャカルタ付近で連日の豪雨が引き起こされたようです。

<赤道越え北風サージがジャワ島北部の降水量を左右する>

北風サージがくると、いつもいつも豪雨ということ ではありませんが、少なくとも、赤道越え北風サージの発生が、

この地域の雨期の降水量の変動に関与している、ということが分かったそうです。 2007年の例のような、

ひどい豪雨を引き起こす程の強い赤道越え北風サージは、数年に一回の頻度で発生しているということですが、

それにしても、生まれ故郷から、どれだけの道のりを 進んでくるのでしょう!

長いこと海上を吹き渡ってくるわけですから、赤道付近に達する頃には、シベリアを出発した時の姿とは全く異なる

姿に変質してます。もう、スポンジに ひたひたに水を含んだ状態。だから、ジャワの陸風との収束で、

豪雨をもたらすのですが、スポンジひたひたということは、ちょっとしたキッカケ雲が発達して、赤道を越える前に

降水を落としてしまうこともしばしばあるそうです。すると、ジャワの陸風との出会いは、盛り上がりに欠けてしまう…

何気なく発生している現象は、案外ドラマチックなんです。

以上、服部美紀さんから教えていただいた研究のお話です!?特に、この時期は日本海を吹き渡る季節風で

日本海側にもたらされる降雪のことばかり、 ちまちま考えてますが、時折、こんな風に 季節風の長い旅に思いを

馳せてみるのもいいかな~ と思いました。

皆さんも、試験の勉強以外にも楽しげな文献、施設があったら、触れてみるといいと思います。

次回、第3回はどんな研究を紹介しようかな(^_^)/

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