「気団変質」ちょこっと…てんコロ.アドバイス更新しました。
ちょこっと…てんコロ.アドバイス7 実技:気団変質
?冬型の気圧配置が出題のテーマになった場合、結構な確率で「気団変質」が鍵となることが多々あります。
気団変質について、正しく理解できているかが問われるわけです。
冬に北西季節風として日本列島に吹きつける風の出どころは、シベリアの大地です。冬季、アジア大陸では
著しく放射冷却が効いて、シベリア高気圧を形成します。これは、大陸性寒帯気団という非常に冷たく乾燥した空気の塊です。
著しい放射冷却で、キンキンに冷えた空気が溜まり、シベリア高気圧が発達していき、さらにキンキンに冷えた空気の上には
下降流によって結構しっかりした(厚め)の逆転層が形成され、とても安定した成層となります。例えば、上の天気図の例の
ように、日本付近を低気圧が通過したのち、北西太平洋でその低気圧がガンガン発達すると、シベリア高気圧との間で
気圧傾度が非常に大きくなり、シベリアの寒気団からブワーッ!と、寒気が吹き出し、季節風として日本海を吹き渡ります。
このシベリアから吹き出す寒気にとって、日本海は温泉みたいなものです。気温と海水温の差が非常に大きいのですね。
このために、元々は乾燥・寒冷・安定であった寒気の塊が、日本海上で顕熱・潜熱を補給され温暖・湿潤な空気に「変質」
するのです。
<気団変質が進む条件>
*海面水温が高いほど
*上空の気温が高いほど
*吹走距離が長いほど
気団変質が進み、湿潤な空気の層が分厚くなる。つまり、積雲対流の達する高度が高くなります。これらの条件は、ぜひ
覚えておきましょう。この手の問題は、必ずと言っていいほど鉛直方向の大気の状態が分かる「状態曲線」が出ます。
状態曲線には、見慣れておくといいでしょう。私も、状態曲線をちょこちょこ載せていきますね。
ちなみに…このサイト↓では、世界中の状態曲線が見られます。おヒマな時にのぞいてみましょう!
http://weather.uwyo.edu/upperair/sounding.html (ワイオミング大学のページ)
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2012年10月23日
カテゴリー:てんコロ.のワンポイント, 講師より