「集中帯ってどこさ」ちょこっと…てんコロ.アドバイス更新しました。
ちょこっと…てんコロ.アドバイス2 実技:天気図の見方(その2「集中帯ってどこなのさ?」)
前回に続き、天気図の見方です。前線を見つけるには、850hPa面の天気図が便利…なのはご存じかと思います。
850hPa面の天気図には、実況であればAUPQ78、予想図であればFXFE5782(もしくは4)やFXJP854(相当温位分布)
を参考にします。前線は、850hPaの等温線や等相当温位線の集中帯の南縁(暖気側) におよそ相当すると言いますが
じゃあどれぐらいが集中しているというのか??というと、特に決まった幅や本数があるわけではありません。つまり、
これも「慣れ」ということになってしまいます。
<図1> <図2>
例えば、上の2つの天気図をご覧ください。(両方とも、T=12で、7日の00Zの天気図であることは、偶然であります^_^;)
図1は、なんとなく集中しているところがわかるかと思います。大体15℃線あたりが、850hPaの前線に対応している
ようです。ところが、図2は図1と同じような感覚で集中帯を探そうとしても、すぐにうまくはいきません。これが集中?と思う
ぐらいのときもあります。「難しいな~」と思うかも知れませんが、それは等温線だけで確定しようとするから難しいのです。
<前線の手がかりは、たくさんある>
前線近傍に見られる特徴は、温度傾度が大きい(等温線が集中している)というだけではありません。以下のような
ヒントも手がかりもありますから、あわせて確認します。
◎前線をはさんで風向・風速が大きく異なること(上の図では、前線の南側で40ノット以上の西~西南西風が卓越し、
北側で10~20ノットの北西風が卓越)
◎前線に沿って上昇流域(網掛け域)となっており、前線近傍では上昇流の極大値が分布している。
(オレンジのアンダーライン)
また、問題では前線の位置について「図??を使って答えよ」とありますから、もちろん、その図から読み取れる
だけのことを答えればいいわけですが、もし不安であれば他の天気図で再確認してみましょう。
<右の図と同時刻の予想図で、他の天気図>
たとえば、相当温位の分布図なら温度線よりも集中帯が明瞭なことがあります。また、700hPaの湿り域を見ると(右図)
前線の南側に前線に沿う形で湿った領域(ここでは湿数6℃未満の領域を緑で着色)がのび、低気圧の中心よりも東側で
前線を挟んだ南北に湿り域が分布しているかたちになっています。
このように…
前線近傍=「温度傾度が大きい」ところに
*「風向・風速の不連続な所がある」
*「上昇流や上昇流極大値が分布」
*「湿り域が前線に沿って分布」
そのほかにも、500hPaの強風軸との対応、大きな降水量が計算されている領域など、すべてが手がかりとなるのです。
つまり、これらの領域はお互い関連し合っているということを理解するのが重要です。
はじめはどんなに時間がかかってもいいので、じっくり天気図を見るようにしましょう!
??
てんコロ.のeラーニング気象予報士講座は、学科一般分野(法令をのぞく)・学科専門分野・実技講座があります。
それぞれ、単元ごとに購入可能です。一人で勉強してても分からない所がある方、得意な単元と不得意な単元がある方
ぜひ、てんコロ.のeラーニング気象予報士講座をのぞき見してみてください(^_^)。
てんコロ.が一体ぜんたい、どんな先生なのか…?不安だな~という方は、以下の無料コンテンツをご覧ください!
*ユーザー登録していただくと、以下のコンテンツが無料でご覧になれます*
☆オリエンテーション(気象予報士試験の勉強をはじめようかな~という方へ)
☆実技講座学習ガイド(実技試験の勉強を始める方へ)
☆第38回気象予報士試験 学科試験(一般・専門)解説
2012年10月7日
カテゴリー:てんコロ.のワンポイント, 講師より