残暑が厳しいです…
朝はだいぶ涼しくなってきたような気がするのですが…ただの気のせいか…東京はいまだ最低気温が25℃を下回らず、熱帯夜です^_^;。それでも、天気図上では、秋の空気が日本付近にやってきつつあって、夏の空気とのせめぎ合いが始まっています。秋雨前線ですね~。前線の北側には涼しい空気があるのですが、これが南下するまでは、すなわち前線の南側にいるうちは、前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気の影響で、日中はかなり蒸し暑く、局地的に雨が降るような不安定な天気が続きそうです。
今朝6時の気象衛星赤外画像です。前線に対応する雲域が日本海沿岸にのびています。そして、ところどころ、他よりもやや発達しているような雲域があります(赤丸)。9時の相当温位図(予想図)を見てみると、850hPaの前線(赤破線)上に波動が見られます。こういう波打つ所は、南海上から暖湿気が流入すると雲が発達しやすい所です。まあ、レーダーエコーでは、ちょっと差が分かりにくいですけどね。今回は。さて、この前線が今後どんな動きをするのか?当然、多種多様な天気図をみるわけですが…今日は、500hPa 高度・渦度の天気図で前線がどうなっていくかを判断するポイントを見てみましょう。
500hPa高度・渦度の図で、前線に対応するところを見るときは、渦度0線です。渦度0線は、おおむね強風軸に対応しています。強風軸に対応しているということは、ここに大きな空気の境目があると考えられます。そこで、渦度0線を見ると、今回は5820m付近の流れにありそうだということが分かります。T=12が今朝9時、T=24が今夜21時の予想です。どうですか?分かりにくいかもしれませんが、西の方が少しトラフの深まりに伴って南下してくるもようです。
明日11日になると、さらに西側の前線が南下して、前線は東西方向の走向から南北方向の走向に変わって、全体的に本州上に乗っかってくるようです。
もちろん、前線の解析にはまず850hPaの気温や相当温位を見ますが、それだけではないということですね。500hPa の流れから前線の大きな動向が分かりますし、700hPaの湿り域の分布や850hPa上昇流の極値の分布から、どのあたりで前線が活発になるのか見当をつけることができます。実技の分野に入ったら、まずはたくさんの天気図に見慣れることが重要です。初めは分からなくても、次第にポイントをすばやく把握することができるようになりますよ。
2012年9月10日
カテゴリー:天気の話題