金環日食…見られましたか?
昨日の予想では、関東南部は南海上の前線や東海上から入る湿った風の影響で、
朝は曇りの予想となっていました。ただし、完全に曇り!と言いきれる状況でもありませんでした。
といのも、メソモデル(MSM)は朝のうちに晴れ間を予想してました。
これは、昨日の夜のメソモデル(MSM)の予想です。ちょっとデカく載せてみました。これだけ見ると、
やはり関東南部は、南海上の前線帯と北海道の東海上に中心を持つ高気圧の後面から入る
湿った東風の影響で、なんだか雲が多そうな雰囲気です。850hPaの空気の流れ方を見てみると
前日の夜の時点では、本州付近にある高気圧性の循環がまだしっかりして、関東の南海上あたりの前線帯も
南海上に追いやられてる様子だけど、21日の朝になると抑え込みが弱くなって前線帯も少しだけ北上してくる模様。
しかし、GPV(格子点値)のデータそのものを見てみると
まだ上空の北東風もそれほど強く入ってくるわけでもなく、地上付近では朝のうちは北西風が卓越する予想。
これは、べったり下層雲…ということは無さそうだ。と考えられました。
東京は、上層雲はあるだろうけど「太陽が見えないことはない!」それが、最終的な予報。。。
そして実際の今朝の様子は…ほぼMSMの予想の通りでした!
東京と神奈川のあたりに、ちょうど曇りと晴れの境目。東寄りの風は千葉県から南岸付近にはしっかり入っている
様子ですが、内陸はわりとしっかりした北~北西風です。上空の気圧の谷の影響もあってか、前線帯の北側の収束線付近では
雲が思ったよりも発達し、南岸は雨が降ってしまった所もありました。そのおかげで…というのも申し訳ないですが、逆に東京方面は
しっかりと青空が見えるほどの晴れ。予想よりも強めのコントラストとなりました。
結果、東京は欠け始めから終わりまで全て見られた人が多く、神奈川県では雲に見え隠れしながらも
なんとか見られた!という人が多かったようです。
こういう天体ショーがある時は、気象予報士はなんだかプレッシャーです^_^;
なんか、曇りとか雨の予報出したら、怒られそうで…。ま、そんなことないのですが。。。
追伸…って、ただの書き忘れですが(^_^)
気象衛星の可視画像でも、日食を味わうことができます。なんだか神様目線ですね!
気象衛星画像の中でも「可視画像」は、可視光線を捉えるものですから、宇宙から地球を見下ろしている感覚とほぼ
同じです。ですから、夜間の観測は不可能で、朝6時半ぐらいから観測可能になります。
陽があたり初めて、東日本はかなり明るく、西日本はやや暗い状態です。これは、この時間帯の通常の見え方です。
この後、陽が高くなるにつれて日本全体まんべんなく明るく見られるはずです。しかし21日は…
観測時間は画像の上に書いてある通りです。「jst」だから、そのまま日本の時間です。7時以降、本来ならもっと明るくなるはずが
7時半、8時と、西日本~東日本で日食がピークを迎える時間帯に対応して、暗くなる一方です。そして
8時半、9時、と次第に北日本の方も薄暗い写り方になってきました。
私も、こんな風に衛星画像が見えるなんて初めての経験ですから、こんな見え方するのか~!!とちょっと感動しました(^_^)/
2012年5月22日
カテゴリー:天気の話題